
■ はじめに
2005年9月、北海道大学病院検査部は、他4施設とともに国内で初めて「臨床検査室認定」を取得しました。
認定取得プロジェクトは、旗揚げから認定取得まで、約3年を費やしました。
本ページでは、我々が格闘してきた「ISO15189:2003」と「臨床検査室認定」を取得するまでの、決して平坦ではなかった道のりをご紹介します。 これから認定取得を目指される施設の一助となれば幸いです。
認定取得の目的

認定取得の目的は、「患者のための検査」をおこなう体制を構築することにあります。
これは、検体取り違えなどのリスクを未然に防ぐことを含めた検査品質の向上とこれによる医療の質の向上、 顧客満足度の向上、加えて将来の検体数増による病院収入増を目指すための体制を構築することを意味します。
「患者のための検査」を実践することが、つまりは病院検査部の存在意義を高めることと同義であると考えました。
ISO15189取得組織として
約3年間の活動の末、待望の「臨床検査室認定」を取得することができました。
活動の過程で、日本適合性認定協会、コンサルタント、院内の多くの人々の支援を頂くことができ、 それが検査部の検査の質の向上に寄与していることを実感できるようになりました。
この3年間の期間は、暗中模索の日々であり、認定審査はこれまでの自負がいかに頼りないものであるかを思い知らされましたが、 我々にとってはいずれ超えなければならない貴重な試練だったと考えます。
医療も今や「自画自賛」の時代から「第3者評価」の時代へ移り変わりつつあります。
「第3者評価」の代表格であるISO品質マネジメントシステムで求められる「規格の要求事項」への適合するための具体化の方法は一様ではなく、 検査室の規模や環境に応じた方法論があるはずです。
今後とも、継続的な改善を図りながら、検査の質の向上に向けた取り組みを続けていきたいと考えています。 冒頭にも延べましたが、これらのたゆまない改善活動が病院検査部の存在意義を高めると信じています。
与えられる試練は並大抵ではありませんが、この試練を克服した結果得られるものは、 「世界に通用する検査室」の称号です。
検査室に働く人間としてこれほどの名誉は他にあるでしょうか。
