沿革

昭和31年10月北大病院の臨床検査は各診療科の研究室で行われ,共通する検査とその科独自の検査と科ごとにまちまちであり,人手・試薬費等無駄が多かった.それを改善するこころみとして中央化する案が出てテストケースとして心電図,筋電図,基礎代謝の3検査室が開設された.
昭和32年5月 検査室の中央化を図るために運営委員会及び各専門技術委員会を設立して,それらの委員会で中央検査室運営機構及び検査室拡張計画案が作成された.検査室拡張計画案(1)循環機能検査(2)呼吸機能検査(3)基礎代謝検査(4)血管カテーテル検査(5)心電図検査(6)筋電図検査(7)生化学検査(8)一般検査(9)細菌検査(10)血清検査(11)臨床血液検査(12)病理組織検査(13)輸血管理(14)フォト・センター(15)共通機械等の検査室を設け,
各検査室には主任及び副主任を置く.検査室主任は,医学部助教授,講師会より選出され,部長の命を受けて各検査室の技術的指導と責任を持つ.副主任は,各主任より委嘱され各検査室の技術員の業務を指導する.
というものであった.
昭和34年8月 中央検査室が全面的に拡張され発足のはこびとなった.
(1)生化学検査室(2)電解質検査室(3)内分泌検査室(4)血清検査室(5)血液検査室
(6)一般検査室(7)試薬検査室(8)心電図検査室(9)筋電図検査室(10)脳波検査室
(11)基礎代謝検査室(12)呼吸機能検査室(13)細菌検査室(14)病理検査室
更に附属施設として
(1)研究室(2)フォト・センター(3)共通機械室を設け,技術員17名によって運営された.
昭和37年2月 中央検査室として発足したが,目的の達成には不備な点も多々出てきたので,病院の近代化による改築に伴う中央検査部としての構成の再検討がおこなわれ文部省に新設の要求がなされた.
昭和38年4月 中央検査部新設要求により文部省より認可され,助教授1名,教官3名,検査技術員47名の人員構成で出発した.
昭和38年7月 改築された病院の中央診療棟2階に移転,検査業務拡充を計った.
昭和42年6月 文部省訓令により名称が変更され,検査部となった.
昭和43年5月 検査部に主任制度施行され,技師長・副技師長・主任技師が病院長辞令により発令された.
昭和50年10月 病理組織検査室が検査部から独立し病理部となり,教官1名,検査技師2名が移籍,さらに検査技師3名が出向となった.
昭和52年2月 緊急検査室を設置,一部項目を受付時間外の検査として測定開始.
昭和53年10月 全自動化学分析装置(日立716型)が導入され,これに付随したコンピュータ(日立 HILAS-M)によるオンライン化がなされた.
昭和57年4月 病院医事課の電算化に伴い検査部にもコンピュータ(NEC MS-50)が導入され,生化学検査室・血液検査室がオンライン化されたが,血液検査室は検査件数統計処理のみであった.
昭和59年3月 新中央診療棟が完成.検査項目の拡大,検査依頼の増加による大型検査機器導入等によりスペース不足となり検体検査部門(血液・生化学・一般・細菌・洗浄室)が移転した.
昭和62年8月 フローサイトメトリー室を新設,業務の拡大がなされた.
平成元年4月 緊急検査室,血清検査室がスペース不足となり移転したが,まだ不足状態である.
平成元年5月緊急検査24時間体制開始.測定項目血液検査(白血球数・赤血球数・ヘモグロビン・ヘマトクリット・血小板数).生化学検査(総タンパク・総ビリルビン・GOT・GPT・CPK・LDH・尿素窒素・クレアチニン・ナトリウム・カリウム・クロール・カルシウム・アミラーゼ・アンモニア・血糖).
平成元年7月病院オーダリングシステムが開始され,これに伴い検査部も新コンピュータシステム(NEC ACOS 410/40)が導入され,細菌検査を除き検体検査の殆どがバーコードによる受付となった.
平成6年3月 21世紀に向け医学部附属病院が新築され,検査部の生理部門(脳波検査室・心電図検査室・呼吸機能検査室)が移転した.
平成7年4月脳波検査室において誘発電位検査(NCV,SEP,AVR)を開始する
平成9年3月 新中央診療棟完成.検体検査部門の新棟への移転と同時に細菌検査室・フローサイトメトリー室を除きワンフロアー化され,総合検体検査システム(検体搬送システム)導入により検査の効率化など,より一層の充実をはかる.
平成9年4月検査部情報管理部門の設置を行い、情報システム管理の一元化をはかる
平成9年8月外注検査業務をオーダリング化し、伝票レスに向けてスタートした
平成9年10月中央採血室を開設し、外来患者の採血を中央化するとともに診察前検査の充実化をはかる
平成9年11月遺伝子検査業務を開設し、ウイルスの高感度な検出を可能とするとともに薬剤効果を判断するため遺伝子タイピングまで可能な体制とした
平成10年4月超音波検査開始の先駆けとなる心エコー検査を開始する
平成10年5月オーダ法や基準範囲を網羅した検査総合案内手帳第一版を発行した
平成11年4月染色体検査室を開設し、FISH法を確立するとともに2年後(平成13年11月)のG-Bandの基礎を築いた

前年よりトレーニングを重ね、検査部においてホルター心電図を開始した
平成11年8月先進医療として脳磁図MEG)検査を開始する
平成12年4月細菌検査の365日体制を確立し、多剤耐性菌などをいち早く結果報告することで院内感染の予防に寄与した
平成12年9月免疫抑制剤検査を休日対応とし、移植医療の充実化に寄与した
平成13年10月輸血部臨床検査技師と協力し、輸血業務24時間体制を構築し、夜間休日の血液製剤出庫業務を開始した
平成14年10月血液センターに依頼していたHLA検査を院内に取り込み、肝臓や腎臓等の移植医療の充実化に寄与した
平成15年4月緊急検査に感染症項目を追加し、緊急手術に対しより安全に適応できる体制を構築した
平成15年12月北海道大学病院診療支援部が発足され臨床検査技師も所属することとなった
平成16年4月中央採血室の採血に予約を取り込み、患者来室時間管理ができるようになった
平成17年6月歯科と医科の病院統合により歯科検査室を検査部に業務統合された

手術の安全対策として術中のSEPモニタリングを開始する
平成17年9月日本初となるISO 15189認定を取得し、マネジメント体系を確立した
平成18年4月認定輸血検査技師制度の指定施設となる
平成18年6月検査部通信「CliLabo」第一号を発刊し、検査部からの情報発信を開始する
平成19年4月検査部と輸血部を統合し検査・輸血部となる
平成20年2月検体検査および細菌検査の機器更新を行い、多検体を迅速に処理することで診察前検査のさらなる充実に寄与した
平成20年3月放射線部のRIA検査廃止に伴いnonRIA化を促進し、免疫検査の充実化をはかる
平成20年4月院内診療業務において業者立ち合いができなくなり、心カテのモニタリングを実施することとなった
平成20年5月中央採血室および一般検査室を移転拡張するとともに採尿室を構築し、患者待ち時間の短縮に寄与した
平成20年6月輸血検査室を検体検査室内に移転し、緊急検査および輸血当直業務の融合化をはかる
平成21年4月日本輸血細胞治療学会認定医制度の指定施設となる
平成22年3月放射線部と共同でエコーセンターを開設した
平成22年4月診察前検査の充実により外来迅速検体検査加算算定を開始した
平成23年2月生理検査システムを更新し、生理検査受付を設け患者待ち表示の充実及び検査結果表示の柔軟性によりペーパーレス化を促進した
平成23年6月病棟設置の血液ガス分析装置を更新し、検査・輸血部で管理することでコスト削減や安全管理の徹底化をはかる
平成25年4月耳鼻咽喉科に聴力検査などの電機生理検査のため検査技師を派遣。小児科のホルター心電図の受入れを開始した
平成26年1月質量分析装置を用い、血液培養陽性検体の迅速同定検査を開始し感染症治療に貢献
平成26年6月産科へ検査技師を派遣し新生児聴力スクリーニング検査を開始
平成27年4月体成分分析(体液量測定)を生理検査室で開始
平成28年6月生化学検査項目を中心に共用基準範囲を採用
平成28年10月残余検体における自主臨床研究の患者同意を直接検査・輸血部員が実施することとなった
平成29年3月運動負荷検査室に検査技師を派遣し検査を開始
平成29年4月輸血機能評価認定制度(I&A制度)の認定取得
平成29年9月小児の心エコー検査を開始し診療への診断や効率化に寄与した。生理検査室の個室に防犯ブザーを設置し安全な作業環境を確立した
平成29年12月脳波検査室とスタッフルームの境界に全面パーテーンションを設置し、安全で快適な作業環境を整えた
平成30年4月時間外に受領した血液ボトルを随時機器に装填することにより培養陽性への時間短縮に寄与した
平成30年7月技師への面会を完全アポイント制とし、部外者の入室制限により情報漏洩や業務への支障を軽減することとなった。

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