取得に向けた準備
1 認定取得プロジェクトの発足
2002年8月、東京で日本臨床検査標準化協議会(JCCLS)と 日本規格協会主催のISO15189の説明会が開催され, 当時、検査品質向上に向けて模索していた前技師長より聴講指示を受け、東京へ赴きました。
説明を聞き、「新しい概念」に対しての衝撃を受けると共に、漠然とではありますがこれまでの価値観を変えるような 大きな変革が起こりつつあるという感触を得ました。
説明会の報告をしたその場で、準備委員会を立ち上げるよう技師長より指示がありました(2002年10月)。
2 活動のスタート

規格の要求事項を理解するための勉強会と、検査業務に直結する「試薬」「消耗品」「検査機器」「精度管理」 「外注検査」「廃棄物」「情報システム保守」「作業スペース」「コスト管理」の9小委員会、 及び病院貢献を図るための「感染管理」「リスクマネジメント」「研究・治験」「教育・研究」「ISO取得」 「学生実習」「広報」「患者サービス」「医療制度」「福利厚生・庶務」の10小委員会を設置し、 活動はスタートしたのでした。
それぞれの小委員会に責任者を置き、全てのスタッフが複数の小委員会のメンバーとなって、現状分析や規則・手順書の作成、記録文書の作成、 保管方法の確立、自己点検などを行うこととしました。
3 活動における障害
「まず自分たちでやれるところまでやる」のが当初の方針だったので、 コンサルタントは導入しませんでした。
その結果、規格に書いてある要求事項が意味不明であること、意味が理解できても、どの程度の深さ・詳しさ・細かさまで対応すればよいかの加減の 程度が全く分からず、試行錯誤の繰り返しの毎日でした。
4 パイロット認定へ名乗りを挙げる

数度のJCCLS等主催のISO15189:2003解説セミナーを経て、この規格が認定に用いられること、JABとJCCLSが共同で認定を実施すること等が明らかに なってきました。
10月よりパイロット認定スキームが開始されることとなったため、申請要領に記載された資料を作成し、9月に受審申請を行ないました。
申請項目は、検査部が管理する院内検査・外注検査の全ての項目を対象としました。
この時点では、まだ大変な状態になることなど予想もしていなかったのです。
とは言え、この時点でも用意した資料の量は、A4用紙にして500枚(半分は両面印刷)もあり、厚さは8cmを超えていました。